■実は夏以降、いろいろな方とお話をする機会が増え、そろそろ重い腰を上げて雑誌編集部に持ち込みを敢行しようと、10月30、31日に上京してまいりました。
持ち込んだのは「狗と鳥」で出している『詰襟道化手嶌醍醐の幕引き』シリーズと、個人誌『オールドグウェンデの剣』1巻。
あと31日に持ち込んだところには、12pの現代ものショートショートのネームを。
折しもコミティアで出張漫画編集部も設けられていたため、都内をウロウロするよりは多くの編集部さんに見て頂けることになって、個人的に商業用の漫画にするには何が足りないのかというのがより明確になってきたような気がします。
ほぼどの編集部さんにもしきりに言われたのは
「ネーム(台詞)が多い/説明が多い」ということでした。
ネーム(台詞)や説明が多いというのは、もともと盛り込みたい設定が多すぎてそれをありったけ詰め込んだ結果であり、それを言葉にしてそのまま説明するというのが多すぎという感じ。
盛り込んだ設定のせいで描きたいエピソード(そのキャラクターで一体何が描きたいのかメインテーマ)が見え辛くもなっている。
読み切りとして描くのであれば、その要素は必ずしも必要ではないということをきちんと考えて出さないといけないということでした。
なので改善点的には、「イラネと思う設定自体を切る」「必要な説明なら、背景や絵、ニュアンスで"見てわかる"説明にする。/短い台詞で簡潔に。」というところに重点をおくべきとのこと。
うーんわかっちゃいるけど難しいなぁ。
逆にすべての編集部で言われた訳ではないですが、
「キャラクターがたっている。しっかり設定されている。」という点は良い、と言われることが多かったです。
これは多分、醍醐なら5巻という冊数があるとは思うけども、グウェンデでも(88pもあるけど)1話分でつかんでもらえるキャラが私にも作れるのだなという、自信にも繋がりそう。
ただこれは上記の「設定盛り込み過ぎ」にも繋がっているという点では長所であり短所であるということなのだと思いました。
以下、各編集部さんで言われたことで気になったところ。
(自分の言葉に変換しているのもあるので必ずしも文言は同じではない上に全部メモしきれてない。そして個人的な所感含む。)
10月30日(コミティア出張編集部にて)
●ITAN
・文字・ネームが多くて読み飛ばす。
・演出は上手いがそれに頼ってる。
・構成に凝りすぎていて逆に読みにくい。
余分なところ(エピソード)がある気がする。
導入も長くてそこで読者が離れる。
・絵はいい。若いお爺ちゃんのシーンもっと欲しいかも。
●モーニング、モーニングツー(名刺頂きました)
・絵は上手い。
・やっぱりネームが多い。(改善点は上記と同じ)
・グウェンデは、上手いことまとめていると思う。
ただ心情メインにしたらアクションいらないかもしれない。
政治で陥れる展開、もしくは毒を使用する展開にしたらどうだろうか。
・醍醐の試みは実験的な気がする。商業誌では難しい。
●コミックフラッパー
・ちょうど今以前の雑誌の感じから一新しようとしている最中で、今あだしっちがやろうと思っていること(世界観を重視したような作品)は求められてないので難しい。
どうしてもこの雑誌でしたいのなら、絵柄をもっと男性向け(可愛い女の子多め)にしないと無理かも。
・自分でコンセプトと読者を設定して、その人に向けた作品を発信する努力を。
・絵的には女性向けなのでジーンに行ったら?(以下ジーンへ)
●コミックジーン(名刺いただきました)
・醍醐は「最初から最後までクライマックス」してる。
・キャラクターはどちらの作品もたっている。
・絵もフェティズムがあることがよくわかる。
・ずっとクライマックスしてるので、1話内でもっとメリハリがほしい。感情やエピソードの盛り上がりをどこか一つ作ってみて。
・読者が自分の分身と思えるようなナビゲーター役を作中に入れると、感情移入しやすい。
・雑誌の傾向は、絵のキレイな漫画(中二病女子が真似したい、コスしたいと思わせるような)、表向き少年誌として幅広く見せつつも、どこか女子がキュンとなる要素のある作品だと良い。
・見せゴマ(見開きも)要点のみで、少なめにした方が効果的。
・コードギアスやUN-GOの例をあげてるうちに話がちょっと脱線したりした(笑)
・醍醐5巻買ってくれた。
10月31日(各本社へ)
●IKKI
・絵に関して気になる点が多い。
(コマの大きさによってクオリティが違う。背景が雑で世界観を壊している。小さいコマも丁寧に描いて欲しい。醍醐はテスクチャ多すぎる。写真加工とかよりきちんと描かれた物の方がいいのでは。)
・醍醐の表現手法がどこか見たことあるような気がして、目新しさがない。
エフェクトでごまかしている、雰囲気に流されている感がする。
・ネームの方は、決められたレールの上を進めているだけで意外性が無い。
現代ものにするなら、キャラクターに意外性を持たせてみるとか(現実から逸脱させろという訳ではない。新鮮さ、予想もつかない、次にこの人は何をするんだろうという気持ちにさせるようなもの。)
・いい意味で読者を裏切るということを意識する。
・このままの傾向だと(絵の上達では問題ないかもしれないが)シナリオ面で難がある。
・雑誌としては投稿作品が入賞したりした場合にオマケとしてネームをみる担当がつくようなシステム(持ってけば見るけど)
IKKIで本気で見て欲しい人は、完成原稿を持っていった方がいいかも。
●アフタヌーン(名刺いただきました)
・全体的にキャラクター性はできてる(話に設定盛り込み過ぎだけど)
・醍醐はちょっと描き手が作品の雰囲気に浸り過ぎかもしれない。
気持ちのいい世界だけ描いていないか?
・グウェンデは説明多すぎ以下略
多すぎてエピソードに注視できない。
奇跡的なものは1つの話に1つで良い(たくさんあると都合良く見えてしまう。狸寝入りのところとか、クレになんの後遺症?的な物がなかったのが少し甘く感じる。)
・ネームの方に関して。
短い話は1p1pにオイシイところが欲しいかも。
尻切れとんぼっぽい。物足りない。ちょっとシマリがない。
・高○ツ○ム氏の担当さんだった・・・・・・!!!!!!!!!(心の中で平伏)
キャラクター性といかに情報を話に出すかのところで飯田さんを例に挙げてくれてめっちゃよくわかった(単純)
・話作りのアドバイス的には、一つの話でこれと決めたことだけをしっかりやりきる。自分ルール(しばり)を設定してみる。好きなこと、描きたいことはどうしたって滲み出てくるから。
・勉強するなら、映画を見てここでこういう風なことしているというメモをとってみるとか、脚本を見てみるとかする。
・絵のことに関してはあまり触れてなかった(気がする)
以上、自分メモ。
やはりシナリオ改善かなぁと思いながら、雑誌を絞ってネームをまた描いてみようと思いました。
うーん、がんばろう。やるべきことは山積しております。
しかし、初めてではないにしても持ち込みやっぱり緊張する。
IKKIに持ち込み行った時はちょうど小学館のある神田神保町で古書祭りしてたんですが、ろくにみられなくてちょっと後悔(しっかり買いたいもの買ったけど)
なんかね、読んでもらってる最中って、こんなかんじするの↓
鉄のハートが欲しいよマジで。
もしくは折れてもめげないハート。
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